2022年4月14日（木）〜4月26日（火）にかけて、ギャラリー国立にて開催されるチャリティー企画展『POWER OF ART 「未来へつなぐ展」』に出展いたします。作品の売り上げをウクライナ避難民の受け入れをおこなっているポーランドへ寄付する人道支援チャリティーイベントです。

日々ニュースで見聞きするウクライナの惨状。自分にも何かできることはないか・・・そう思っていた時にこちらの企画展に出会いました。希望ある未来を信じて、願って、作品を制作いたしました。参加者多数のため会期が前半・後半に分かれることとなり、私の作品は 『POWER OF ART』後半 4/21(木)〜4/26(火) 2F展示　未来へつなぐ展 での展示になります。

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展示作品

きっかけは、3月15日に通勤電車の中で偶然開いた一本の動画でした。

「ウクライナ・キーウ南西部で爆撃の被害を受けた家の中で奇跡的に被害を免れた一台のピアノ。
瓦礫の中に置かれたピアノの蓋を開け、一人の女性が演奏を始めます。
かつて居心地の良かったであろう部屋の中には、壊れたベッド、箪笥、散らばる服…。
言葉は一切なく、ただ淡々と映像に映し出される「現実」の裏で響くのは、
ショパンのエチュード Op.25-1、別名『エオリアン・ハープ』の音色だけ。」

SNSで拡散されたこの動画をご覧になった方も多いのではないでしょうか。

演奏している女性の表情は見えずとも、その音色に、悔しさ、悲しさ、やるせなさ、憤りが
どんな言葉よりも強く、心の奥深くまで伝わってくるー。
まるで自分が同じ体験をしたかのように、感情が流れ込んでくるようでした。

それまで、ニュースで日々報道される出来事をどこか遠い世界のことのように思ってしまっている自分がいたのだと思います。
２分弱の短い動画はどんな映像よりも私の心に深く刺さり、忘れられない音色になりました。
ただただ許せなくて、悲しくて、思い出すたびに涙が出ます。
あまりにも衝撃的で、その後一回だけ視聴してからはもう一度動画を開く勇気がありません。

何かしなければ・・・という想いに駆られて、直後に一つの絵を描きました。
衝動的に描いたその絵は本作と同じ人物、モチーフ、場面でしたが、悲しさや憤りのニュアンスが強く「未来へつなぐ」には即さない内容でした。
２作目として描いたのが本作品 “Aeolian Harp” です。

忘れてはならない過去の傷跡。
木漏れ日が差し込む中で、
誰に聞かせるでもなく響くピアノの旋律。

奏者が心穏やかにピアノを演奏できる平和な未来を願って、信じて、描いた作品です。

歴史を見ても楽器や絵画だけが奇跡的に戦火・火災の被害を逃れるケースがあります。
未来へ、人々へと受け継がれるべき芸術は、何か特別な力に守られているのではないかとさえ思います。SNSや海外のウェブニュースでも取り上げられ、多くの人に気づきを与えるピアノの音色もまた、芸術の力、Power of Artではないでしょうか。
私にできることは本当に僅かですが、作品を通じてその断片のようなものを見てくださる方々にお届けできればと願っています。

何が正義とか、誰が間違っているとか、そういうことではないです。
罪もない人たちの当たり前の日々を突然奪う権利は誰にもありません。
もし自分の今の暮らしが突然失われたら？
慣れ親しんだ家も、大切な故郷も、家族も友人も・・・想像するだけで胸が締め付けられます。

どうか、そよ風が音色を響かせるエオリアンハープのように、
自然に、心穏やかに、美しい旋律を奏でられる日が1日も早く訪れますように。

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同じ思いを抱えた多くのアーティストさんが参加されていますので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りいただければ幸いです。

チャリティー企画展概要（ギャラリー国立公式HPより一部抜粋）
・名称：「POWER OF ART」
・会期：4/14(木)〜4/26(火)  　4/20(水)休廊
　　　『POWER OF ART』前半       4/14(木)〜4/19(火)　   　1F展示　未来へつなぐ展／   2F展示　美しい人展
　　　『POWER OF ART』後半       4/21(木)〜4/26(火)           2F展示　未来へつなぐ展  ★こちらに出展いたします
・時間：11:00-18:00（4/19と4/26は17:00まで）
・売上について：
    売上の50%をウクライナ避難民の受け入れをおこなっているポーランドへ寄付いたします。（在日ポーランド商工会議所 経由）
・寄付先：http://www.pccij.or.jp/ 
    武器弾薬に使用されることが無きよう、人道支援への募金を行っているこちらへ寄付する事といたしました